社会福祉法人甲山福祉センター特別養護老人ホーム 甲寿園

2011-12/9|金|20:20

平成22年度年報発刊にあたって

法人理念「人が人として人とともに豊かに生きる」
を介護の隅々まで浸透させる

平成22年度事業報告集を皆様にお届け致します。
今年度は、平成4年度に竣工しました北館2階の厨房を北館1階に移転改修工事という大きな事業を行いました。長年親しんだ北館の甲寿園玄関、事務室等を南館1階に移転改修を並行して行い、利用者や家族、ご訪問の皆様にとって、明るく開放的な事務室を玄関ホールの正面に配置させて頂きました。
 新厨房は、“涼厨”という熱くならない器機設備を導入し、多様で安全、食べやすく美味しい食事の提供ができるように改善を致しました。また、職員食堂を併設し、職員の福利厚生面においても改善を行いました。工事は、平成22年8月から着工し、12月に竣工することができました。

平成22年度末に戦後最大の惨事がリアルタイムでTV映像となって国内のみならず全世界に伝わりました。3月11日、東北地方太平洋沖地震は、国内観測史上最大のM9.0を記録し、大津波は東北地方沿岸部に
未曾有の被害をもたらしました。大津波とは、これほど凄まじく、生命や生活そのものを奪い去るものか、恐れ慄きました。人災の様相が濃くなった福島第1原発事故は史上最悪の事態となり、巨大地震、大津波、原発事故の“三重苦”を受け、被災者支援は長期的に行う事が必要です。甲寿園は、車いすリフト付ハイエースにサージカルマスク2万枚を支援物資として提供し、21老福連加盟施設による兵庫→大阪→新潟→山形→宮城への支援物資リレーを行いました。この車いすリフト車両は、被災地の宮城県仙台市で引き続き活躍する予定となっています。国による被災地支援の具体策が講じられるとともに、甲寿園としてもできる限りの支援を行い、被災された皆様にエールを送り続けて参ります。被災地への支援活動への職員派遣についても協力をしていきます。ぜひ皆様に協力を頂きたいのは、「義援金」でございます。事務室前に義援募金箱を置いていますので、ご協力をよろしくお願い致します。

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869年(貞観11年)陸奥国の地震津波とその被害は、「人民〈じんみん〉」は泣き叫び、「屋」が「仆〈たお〉」れて「圧死」し、「城 郭倉庫門櫓〈じょうかくそうこもんろ〉」は「顚覆〈てんぷく〉」してその数はわからず、「海口」は「哮吼〈こうこう〉」として(太く吠え叫んで)「驚 濤〈きょうとう〉」 (恐ろしく長く続く大波)が「 忽〈たちま〉 」ち「城下」に「至〈いた〉」り、「海」を「去」ること「数十百里」、「山」に「登」ること「及」び「難〈がた〉」く「溺死者千 許〈できししゃせんばかり〉」、「資産」や「苗稼〈びょうか〉」(農作物)は「殆」ど「遺〈のこ〉」ること「無」し。
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『日本三代実録』より
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上の文章は、平安時代の貞観地震、大津波の様子でございます。
祖先は、未来の子孫への警鐘として実録を残されたのでしょう。
東日本大震災は、千年前の地震の再来と言えますが、残念ながら、言い伝えは全てに活かされることなく、今回の原発事故では、「想定外」とする考えや政府についても「原発の安全神話」に固執してきました。今後のエネルギー政策は、転換せざるを得ない状況となっています。

この平成22年度事業報告集を発刊する平成23年度は、昭和38年10月23日、法人が創立し50周年という節目の年であります。
法人理念「人が人として人とともに豊かに生きる」をしっかりと介護の隅々まで浸透させて参ります。介護は、人の心が非常に大切な要素でございます。介護サービスの向上を園全体で重点的に取り組んで参ります。ていねいで、優しい介護を心がけ、甲寿園で暮らす高齢者と働く職員が、生きがいを持って、楽しく夢のある施設になるように努力したいと決意を致しています。
新たな事業では、北館2階の増床、改修を予定しています。利用者の生活環境を改善するために、職員の知恵とチーム力でやり遂げたいと思います。
「子曰、温故而知新、可以為師矣」・・・・・・過去の出来事や先人の話を謙虚に学び、現在に活かすべき新しい価値を発見する。常に学び続ける姿勢こそ大切な事なのだろう。阪神大震災、東日本大震災から学ぶ事は日本人として多く、また、法人50周年から学ぶ事も職員として多くあります。
「平成22年度事業報告集」をお読み頂き、ご助言を宜しくお願い申し上げます。皆様に感謝申し上げます!

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