実践研究発表/社会福祉法人甲山福祉センター 特別養護老人ホーム 甲寿園

快適な入浴に向けて ~ナノミスト浴をどう活かせるか~ [南館3階 | 援助員:中田康太郎・伊藤尚一・川崎真吾・松村美香]

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はじめに

日々の生活の中で、それぞれの利用者に合った入浴とは、どのような入浴なのか?体調不良時でも、清潔を維持して、出来る限り快適に過ごす為にはどうすればよいのか?を見つめ直し、安全で安楽な入浴について検討してみました。
現在甲寿園では午前、午後と1日2回、入浴を行っていますが、1回の入浴に対して10~12 名の利用者に入って頂いています。3月末に特殊浴槽を入れ替える際に、浴槽を使用しないベット型ナノミスト浴も並行して導入しました。
ナノミスト浴には1~3名の方が入られています。ナノミスト浴は1回に対して、1人10分程です。その間、見守りを行いながら特殊浴や、座位浴での入浴介助を行っています。
今回の事例研究では、主にナノミスト浴の活用方法について取り組んでみました。

とりくみ内容と対象

排便が続いている利用者でも、浴槽を使用しないナノミスト浴なら身体をしっかりと温める事が出来ます。
多動で浴槽に浸かる事が困難な利用者の場合には、ナノミスト浴入浴前後にシャワー浴を行う事で、より清潔保持に努める事が出来ています。ただし、ナノミスト浴の機械自体に安全ベルト等がついていないので、利用時は常時見守りが必要になります。
入浴というものには個々のこだわりが多く、たっぷりと湯の張った浴槽に肩まで浸かりたいと考えておられる利用者には、このナノミスト浴はお湯につかるという形状ではないものなので好まれない事もあります。

結果

今回、座位浴や特殊浴槽が入れ替わり、新たにナノミスト浴を使用するという事で、どのように活用すれば、利用者にとって快適な入浴となるのかを考えてみました。
ナノミスト浴はお湯につかっての保温とは異なる保温の方法、そして洗浄の方法をとるので身体への負担が少ないと考えられます。もちろんどのような体調でも入浴できるわけでもちろんはありませんし、体調不良者に関しては、従来と同じようにまず医務に確認する必要があります。
しかし、お湯につかる事が身体へのリスクの大きい方でも身体への負担が少ない分ナノミスト浴での入浴が可能になり、一人一人に合った入浴の幅がひろがったように思われます。

考察とまとめ

ナノミスト浴に安全ベルト、特殊浴槽付近に利用者が持ちやすい手すりの設置と、入浴環境を整えていかなくてはならない点や、入り方の工夫をしていかなくてはならない点があります。まだ4月から導入したばかりなので、ナノミスト入浴の改善点なども多くあると思います。それらもふまえ今後も継続して、利用者にとってより良い入浴とは何なのか?と職員一丸となって検討していきます。

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