一般的に、口や頬を食事前に動す事で、唾液がよく出るようになり、飲み込みやすく、食べやすくなり、誤嚥の予防にも繋がる事や、嚥下機能の予防だけではなく笑顔や楽しい会話を行う為の筋肉もつき、日々の日常生活にもいい影響を与えるという効果が期待されている。と言われています。
事例(1)
M・I様 (要介護度:3 年齢:90歳)
●入所日 :平成25年5月13日
●現疾病 :左膝偽痛風・白内障
●食事形態:普通食→ミキサー食→栄養補助食品
■事例取り組み前(食事に関して)
- 気分の変化がある為、ご本人の体調や気分がいい時は自力摂取が可能な方です。しかし、他利用者様の言動や物音が気になり箸が止まる事がありました。
- 満腹になった際には、ご自分で義歯を外され食べる意欲がない事を示されていました。
- 家人が持参した物や嗜好品はご自分で積極的に食されていました。
■事例取り組み後
- 気分に波があり、傾眠や声掛けをしても“ おいしいお食事体操” をされない時が多々ありました。
また、体調が良好な時は出来る範囲で体操をされ発声もしっかりされていました。
- この2か月間で体調が悪化された為、食事形態をミキサー食に変更しましたが、8月上旬に入院され、退院後は栄養補助食品を毎食、全介助にて摂取されていました。
その後開口が悪く、嚥下・咀嚼不良でほとんど食事が摂れない状態でした。
現在は、誤嚥性肺炎の疑いで入院されています。結果、目的を達成する事ができませんでした。
事例(2)
S・M様 (要介護度:3 年齢:94歳)
●入所日 :平成24年4月24日
●現疾病 :高脂血症・虚血性心疾患・高血圧骨粗しょう症・左変形性膝関節症
●食事形態:普通食
■事例取り組み前(食事中・普段のご様子)
- 自力での全量摂取が可能な方です。
しかし、途中から傾眠状態になる事があったり意欲が湧かず「もういいわ」と言われるが多々ありました。
- 満腹になり手が止まってしまう等の状態となり5割程しか召し上がらず、最後は一部介助を行い全量または8割ほど摂取されていました。
- 家人が持参されるお菓子や飲み物はご自分から積極的に食されていました。
■事例取り組み後
- 体操では、気分が乗らない時は、傾眠やテーブルに額を伏せたりしておられますが職員が傍で付き添って行う事により、職員のマネをされ自分のペースで行う事が出来ていました。
また、若い頃に民謡三味線をされていた為か体操での発声ではしっかり声を出されていました。
- お好きな主食の粥は自力で全量摂取し、介助を行う事も減り、8割以上ご自分で食べる事が増えました。
事例(3)
N・I様 (要介護度:4 年齢:84歳)
●入所日 :平成25年9月19日
●現疾病 :洞不全症候群・認知症心不全・変形性腰椎症
●食事形態:普通食
■事例取り組み前(食事中・普段のご様子)
- 自力での全量摂取が可能な方です。
しかし意欲が湧かない・腰が痛いと他の事が気になり食事に集中ができない事もあります。
また、手が止まっている際は声掛けや介助を行うが「いらない」と言われた為、下膳すると「食べるのになんで持っていくの?」と言われる事が多々ありました。
- 身体を動かす事や声を出すことが好きな方でレクリエーション参加時は、積極的に取り組まれとても楽しまれています。
■事例取り組み後
- 取り組み後は、声掛けのみで時間は要しますが、食べる意欲を示されて以前より変化が見られました。
- 体操は始めた時から職員のマネをしっかりされ表情もよく楽しそうに参加されていました。